セルロース学会第15回年次大会が、日本キチン・キトサン学会他の協賛を受けて、2008年7月10日(木)と11日(金)の2日間にわたって京都大学桂キャンパスのローム記念館で開催された。
今回の参加人数は315名を越えて過去最大の規模となり、古くて新しい材料であるセルロースの注目度を改めて実感することができた。
第15回年次大会の特徴は、多糖関連学会からの特別講演と、さらにその講師の方々とのパネルディスカッションを企画したことである。平成18年秋に第1回の「多糖の未来シンポジウム」が開催されて以降、多糖関連学会間では共同の取組がなされているようだが、今回の取組もその一環として行われた。
多糖関連学会講演は、日本キチン・キトサン学会の田村裕先生(関大化学生命工)、日本応用糖質科学会の北村進一先生(大阪府大院生命環境)により行われた。
田村先生はキチンの構造制御(非晶化)と氷晶の成長制御による、極めて特徴的な構造を持つスポンジ状止血材を提案し、北村先生は分子動力学シミュレーションによるシクロアミロースのコンフォメーションと包接機能との関連を議論した。
キチンにしろ、アミロースにしろ、セルロースとわずかな(しかし決定的な)違いがあるだけで、極めて大きな特徴の相違が現れることにあらためて驚くとともに、セルロースの本質に迫るヒントがこのような関連多糖の研究に潜んでいると感じた。
パネルディスカッションでは、パネラーとして前述の田村先生、北村先生、そしてセルロース学会副会長の西尾嘉之先生(京大院農)により、関連学会連携のあり方に関して議論が交わされた。
パネルディスカッションは全く初めての試みなので実行委員として進行について心配していたが、セルロース学会副会長の柴田 徹氏(ダイセル化学)の軽妙な司会により、活発で充実した討論が行われた。この試みにより、多くのセルロース学会員が関連学会連携の背景や趣旨を理解し、学会の発展と、それこそ「多糖の未来」を考えるきっかけになったものと信じている。
最後に、各学会を代表して講演のみならずパネルディスカッションにも快く参加していただいた田村先生と北村先生に感謝いたします。
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